急激な世の中の移り変わりを感じる昨今。
そのためか、なんだか心も忙(せわ)しなく思えませんか?
もっとゆっくり穏やかな時間の流れを感じたい。
どんな時代においても、心に余裕を持って日々を過ごしたい。
そのきっかけになる場所を求めて向かったのは、滋賀県にある満月寺、通称『浮御堂』です。
滋賀県在住の私でも「満月寺」と言われてもピンとこないので、通称の「浮御堂」と言ったほうが、ご存知の方も多いかと思います。
浮御堂は近江八景のひとつ「堅田の落雁」として名高い場所。
あの松尾芭蕉も愛したと言われるお寺です。

芭蕉は浮御堂からの絶景に心を奪われ、そして歌を残したとされています。
そこはまるで時が止まっているかのような空間で、非常に心洗われる、そして癒される素晴らしい観光スポットでした。
今回は、琵琶湖に浮かぶ癒しのお寺『浮御堂』をご紹介します(^^♪
浮御堂とは
滋賀県大津市に位置する『浮御堂』は、正式名称を「海門山満月寺」、近江八景「堅田の落雁」で知られる、滋賀が誇る観光スポットです。
日本遺産にも認定されています。
平安時代から1000年以上にわたり、近江の人々を見守っている浮御堂は、広い琵琶湖の中でも、一番くびれた場所に建っています。
その通称でも分かるように、まるで琵琶湖に浮いているかのように建つ浮御堂。
そこから見る景色は絶景で、松尾芭蕉や小林一茶など、多くの俳人に愛されたとされています。
更には、江戸時代の浮世絵師である歌川広重も「堅田の落雁」を描き残しています。
数々の歴史人を魅了した浮御堂。
今回の訪問で、その魅力を自分の肌で、心で感じることが出来ました。
そんな歴史を彩る人々に愛された浮御堂は、現代もその場所でひっそりと琵琶湖を見守っています。
所在地 滋賀県大津市本堅田1-16-18
拝観料 300円
営業時間 8:00~17:00
お問い合わせ 077‐572‐0455
※記載内容は2021年9月現在の情報です
※新型コロナウイルスの影響で営業時間等に変動の可能性あり
スピリチュアルスポット
静寂の空間
国道161号線、堅田高校前の交差点を琵琶湖方面に曲がって、道なりに進んで行くと『浮御堂』に辿り着きます。

少々細い道を通りますので、運転には充分ご注意ください。
お寺のすぐ近く、御門を挟んで左右に駐車場があります。
電車で訪問の際は、JR堅田駅を降りてバスで出町下車、そこから徒歩5分ほど。
ネットには駐車スペースは30台と記されていましたが、非常に狭いように見てとれましたので、混雑が予想される土日や祝日などは、公共機関の利用がいいかもしれません。
さて、いよいよ御門に向かいます。
門の前に、大きな『浮御堂』の石標がありました。
御門をくぐる前、右手に受付がありますので、そちらで拝観料を支払ってから入場します。
この御門、まるでかまどみたいな形だなぁと思ってしまいました( *´艸`)
御門を抜けて一歩、二歩と進につれ、スピリチュアルな空気が徐々に体にまとわりついてくるような感覚を覚えます。
木の葉に風が当たる音まで聞こえそうなくらい静かで、とても心癒される空間。
この独特な癒しの空気を感じて、名だたる歴史の人物が、ここに魅了された理由が少しわかった気がしました。
どれだけの年月を経たのか、想像もつかないほど立派に育った松の大木。
大きな曲線を描く太い枝は、身長152㎝弱の私でさえ、頭を下ろさないと通れませんでした。
所々にしっかりとした添え木がしてありましたが、枝の下を通るのはちょっと怖かったです(^^;)
奥には絵馬やおみくじも見えます。
こちらのお寺は、子授けのご利益があるそうで、絵馬には子供が授かるようにとの願いが多く書かれていました。
だからなのか、私たち以外の参拝客は、見事にカップルばかりでした。

みなさんに元気な赤ちゃんが授かるといいですね。
私はもう超高齢出産になっちゃうので、子授けは遠慮しておいて…
今回は、我が子の健康をお祈りさせて頂きました(≧◇≦)
手入れされた庭園
浮御堂までの庭園も、かなり見ものです。
日本庭園の素晴らしさが全部詰まった、大変美しいお庭を拝見することができます。
手入れされた木々、独特な瓦屋根、白い石畳に細かな玉砂利、その全てが視界に入った時の、心が落ち着く感覚は日本人ならではなのでしょうか。
刺々しい松葉も、ふんわりとした綿毛のように見えます。
写真で見ても、この場所に漂う空気の落ち着きや、静かな雰囲気が分かるかと思います。

一枚の絵画を眺めているかのような気分。
この素晴らしい庭園、足を止めてゆっくりと眺めてみてください。
浮御堂の直前には、細かな玉砂利が敷き詰められていました。
こちらの木々も、美しく手入れされています。
この広々とした場所は、特別な日に使用されるのでしょうか?
とても広範囲にわたって砂利が敷き詰められていました。
琵琶湖側に並んだ木々たち。

クリスマスツリーが並んでいるみたいで、かわいいですね!
所々に石碑のようなものがありますね。
写真で気づいたので、ちゃんと見てなかったなぁ。後悔(>_<)
次回の訪問時には必ず確認してきますね!
そしてこちらの縁(へり)からは、琵琶湖が一望できます。
カップルが仲良く座って、琵琶湖を眺めながらお話してました。
とてもロマンチックな景色なので、恋人たちが語り合う姿もバッチリ映えていましたよ(^^♪
湖上に浮かぶ御堂
千体仏が祀られる仏閣
先ほどの玉砂利が敷き詰められている場所からも、浮御堂を見ることができます。
よくよく見ていると、なんでわざわざ湖の上に建てたんだろう?という疑問が出てきてしまいます。
何本もの柱に支えられ、湖の上に佇む仏閣。
その不思議な光景には、誰もが魅了されると思います。
それでは橋を渡って、仏閣へと参拝に向かいましょう。
傍らに植えられている松の枝が、橋のちょうど真ん中あたりまで伸びています。
添え木はしてありますが、結構低い位置にあるので、くぐらないと通れませんでした。
松の枝をくぐると、湖上に浮かぶ浮御堂が現れます。
橋の終わりでスリッパに履き替えて参拝するスタイル。
木柱や桟などは、結構古びた感じがしましたが、汚れなどはほとんどなくて、大事にお掃除されているのが分かりました。
床が抜けそうな箇所が一部あって、そこだけは足を踏み込むのをやめておきました(^^ゞ
堂内の撮影は禁止となっていましたので、写真はありませんが、堂内にはたくさんの御仏さまがいらっしゃいました。
こちらに多数祀られている御仏さまは『千体仏』というらしく、全部で千体納められているそう。
見える範囲内に千体は確認できませんでしたので、常に千体が並べられているわけではないようです。

何かしらのイベントの際に、お披露目されるのかもしれませんね。
でも、千は無いにしても、かなりの数の御仏さまが並んでおられて、とても圧巻の光景でした。
浮御堂からの絶景
浮御堂は、そこから見ることのできる絶景が最大のアピールポイントであり、数々の俳人が歌を詠んだ理由を慮(おもんぱか)ることが出来ます。
四方八方から眺めてみましたが、どの光景も美しかったです。
こちらは橋の上からの景色。
薄っすらと浮かぶ山々は、まるで蜃気楼のよう。
夕方ごろに訪問したので、余計遠くにモヤが掛かったように見えるのかも知れないですね。
仏閣からの景色も見ごたえがあります。
遠くに見える長い橋は、琵琶湖大橋です。
琵琶湖大橋は守山市と大津市を繋ぐ橋。
琵琶湖大橋が完成したのは昭和39年ですので、俳人たちがここに訪れた時は勿論そこには何もなく、ただ湖が広がっているだけでした。
芭蕉がここから見る夜景を読んだ俳句。
【鎖明けて 月さし入れよ 浮御堂】
「浮御堂の鍵を開けて、美しい月の光を堂内に入れてほしい」
という意味だと、僭越ながら解釈したのですが、調べてみたところ正解でした(^^)/
歴史を彩る名俳人の心に寄り添えたようで、とても嬉しいです。
逆サイドの景色も掲載しておきます。
橋から見た景色とはまた違った美しさがあります。
遠くをじっと眺めていると、自分が湖上に浮かんでいるかのような錯覚に。
手すりから真下を見下ろすと、当たり前ですがそこには湖があり、吸い込まれそうな感覚を覚えました。
ここで禅を組み、心を落ち着かせ、そして心を癒した歴史人が何人もいたということを、極めて納得できる場所でした。
まとめ
- 海門山満月寺『浮御堂』は滋賀県大津市にあり、子授けのご利益を頂けるお寺です
- 浮御堂は近江八景のひとつ『堅田の落雁』です
- 中庭はスピリチュアルな空気に満ちています
- 浮御堂から見る琵琶湖は、心が落ち着く絶景です
- 堂内には千体仏が祀られています
- 松尾芭蕉や小林一茶など、数々の歴史人が浮御堂を題材とした作品を残しています
辛いこと、悲しいこと、思い悩むこと。
時にはそんなマイナスの感情に、押しつぶされそうになることもあります。
でもそれが「生きている」ということだと、私は思います。
何かにぶつかった時は、心を癒す場所に赴き、生きているということの有難さを感じてください。
浮御堂はその手助けをしてくれる、抜群のスピリチュアルスポットです(*^^)v
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