山縣有朋記念館はのんびりと歴史に触れる事ができる素敵な洋館

栃木

山あいの田園風景が広がる森の中に、ひっそりとたたずむ洋館「山縣有朋記念館」があります。

洋館などは観光地にあるならば見学の対象になるのですが、なぜか、この洋館は山あいの田園風景が広がる小さな地区にあるのであまり知られていないのです。

洋館好きの私としては、どこにあるのかは関係ないのですが、歴史があり地域の人達に大切にされている洋館なのだと感じました。

水色の洋館で、森の緑にも溶け込むように建っている素敵な洋館を紹介したいと思います。

 

素敵な洋館

アクセス

栃木県矢板市の北部高原山の麓の森の中にひっそりとたたずむ水色の洋館です。

東北自動車道矢板ICより県道30号線を北上する事約15分、矢板市の中心部を抜けて間もなく那須塩原市に入ってしまうと思うほど北上。

上伊佐野という信号機の所に案内の看板があり、左に曲がり田んぼの中の道を約5分程進むと目の前の森の中に突然水色の洋館が見えてきます。

案内の看板は県道の1箇所しかなく分かりづらいです

しっかりとした地図かナビが無いとたどり着くことはできませんね。

田園風景の更に奥の森の中にあるので、「本当にあるのですか?」と心配になってしまいます。

洋館の前はT字路になっているので、左に曲がり右側の駐車場に入ります。

駐車場に入らずにそのまま500m程行くと以前紹介した「金精川のます池」に行く事ができます。

なかなか広い駐車場です。

山縣有朋とは

幕末から明治・大正にかけて活躍した藩閥政治家で、内閣総理大臣などを歴任し政界に影響を与えた人物だそうです。

明治時代に政府の政策により手つかずの不毛の地となっていた那須野が原に華族や民間の有志による大規模農場が開拓され、「華族農場」と呼ばれる農場がいくつもできました

山縣有朋も那須野が原に隣接する矢板市の高原山山麓に農場を開拓し、この洋館は神奈川県小田原市の別邸「古稀庵」を移築したものだそうです。

2018年に山縣有朋記念館と山縣農場は日本遺産に認定されたそうです。

駐車場から木々のなかを歩いていくと途中で二股に分かれていて、右手は洋館に行き、左手は森の中に続いていて鳥居が見えました。

森の中の鳥居には後で行く事にして、先に洋館の見学に向かいました。

トトロのメイの家?

洋館は、水色ともう一つの建物からなっていて、2つの建物は中でつながっているようです。

洋館の庭は洋風とは程遠い水琴窟や灯籠がある和風の庭でした。

水色の建物は明治時代の雰囲気が残る建物ですが、隣の建物は「トトロ」に出てくるサツキとメイのお家そっくりです。

トトロの引っ越しの場面を、思い出しました。

入口が分からず迷っていたら、水色の建物の引き戸に小さい「入り口」という看板を見つけました。

もう少し大きい案内看板がいいです

引き戸を開けると靴を脱いでスリッパで見学することになっていて、受付もありました。

入館料が大人700円は高いなと思ったのですが、見学の最後にサロンでコーヒーが頂けるというので納得しました。

中は撮影が禁止になっていますが、館内は遺品や資料などが展示されていて、家具や食器なども当時のものがたくさんありました。

特に目を引いたのは、妻の友子さんが洋館から桜の咲く庭の眺めを描いた油絵が優しい感じのする絵で切り絵ではないかと思うほどキレイで素敵な油絵でした。

四季を通してたくさんの花や紅葉が見られるのだそうですが、桜の季節が一番きれいなのだそうです。

見学を終えて階段を降りたところにサロンがあり、コーヒーかプラムジュースが選べて、コーヒーにはひと口チョコが付きプラムジュースにはクッキーにプラムジャムが付いていました。

プラムジュースとジャムはこのお庭で採れたプラムを受け付けをしてくれた管理をしている年配の女性が作ったもので、香りがよく優しい味でした。

コーヒーとプラムジュースとクッキーが頂けて、700円は安いかもしれません。

 

森のなかの社

美味しい飲み物を頂いてから庭を散策していたら、お隣に住んでいるという管理をされているご年配の男性とお孫さんが声をかけてくれて、「子供の頃は洋館でかくれんぼや鬼ごっこをして遊んだんだよ」と昔のお話をしてくださいました。

子供たちの遊び場だったそうです。

森の中にあるお社の話もしてくださいました。

槙ヶ岡神社」と「椿山神社」というのだそうで、説明看板や案内板が一切ないのでこの方にお話を聞かなかったら「どんな神社なんだろうね?」と疑問しか残りませんでした。

槙ヶ岡神社」は鳥居の正面に鎮座していて、森の中なのに存在感がありますが、隣にある「椿山神社」はひと回り小さく申し訳ないような感じで鎮座しています。

紅葉の時期に訪れたので、黄色いイチョウの葉が地面を被っていてなんとも言えない荘厳な雰囲気でした。

槙ヶ岡神社」は洋館と同じ敷地内にあったものをこちらに移築したそうで、明治天皇の神霊を祀った神社で有朋は毎日参拝したそうです。

椿山神社」は有朋の甥である伊三郎が有朋の亡き後、有朋を祭神として建てたのだそうです。

なぜ「椿山」かというと、東京の本邸は「椿山」と呼ばれていた土地で、後に「椿山荘」と名付けられたそうで、本邸の呼び名から名付けたそうです。

現在の本邸の場所はホテルや結婚式場で有名な「ホテル椿山荘東京」となっています。

毎年11月に地元の人達で例祭をしているそうで、「地域の大切な場所なんだよ」と昔を懐かしむように説明して頂きました。

ガイドブックや観光案内にもこの神社の事は載っていません、山縣有朋にとっても地域の人にとっても大切な神社なのに、どこにも載っていないのはもったいないです。

今回偶然にもお話が聞けてよかったです。

住所   栃木県矢板市上伊佐野1022
電話   0287-44-2320
開館時間 10:00~16:00(入館は15:30まで)
休館日  毎週月曜日(祝日の場合は翌日休み)
1~2月は土日祝祭日のみ開館
入館料  大人700円  小学生350円 (コーヒー付き)

 

まとめ

  • 山縣有朋記念館は森の中にひっそりとたたずむ洋館
  • 大正ロマンのレトロな雰囲気のオシャレな洋館
  • 山縣有朋に関する資料など歴史を感じる事が出来る
  • プラムジュースやジャムが優しい味で美味しかった
  • 槙ヶ岡神社椿山神社は地元の人達に大切にされている神社

山あいの森の中で、なんでこのような場所に素敵な洋館があるのか不思議でしたが、訪れてみて開拓農場の歴史と山縣有朋と洋館は地元の人達に大切にされているのだと感じました。

洋風の建物が森の中に溶け込んでいるのんびりと癒やされる場所なので、皆さんも一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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